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平面図
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立面図
このプロジェクトは
人間の記憶と意識に関する実験的アプローチである。
人間はSNSやウェアラブルデバイスなどにより、ライフログや身体データを意識的にあるいは無意識に記録に残すことで、生活を見返し、より良いものへと変えていこうとしている。社会はあらゆるものをデータ化し「見える化」する事で成長を続けている。近い将来、無意識の内に人生の全てをデータとして残していく社会が待っているのかもしれない。
一方で個人情報・プライバシー権の保護や忘れられる権利の問題など、データ化する社会との向き合い方が問われだしている。技術の進歩が生む社会の変容に果たして人間の意識は追いついているのだろうか。
居住空間という私的空間の中でその生活を映像で記録し続ける事によって、人間の意識にどのような変化が生まれるか。真に主体的に「住む」ということはどういうことなのか。このプロジェクトがこれからの居住と社会の在り方に目を向けるきっかけになればと考えている。
実験テーマ
①記憶の拡張居住空間を人間の外部記憶に
人間の記憶量は約4TBと言われており、普段の何気ない会話やその時の感情などは時間が経つごとに忘れていってしまう。エビングハウスの忘却曲線によれば人の記憶は1時間経つと56%忘れ、1日で74%、1週間で77%、1カ月で79%忘れる。
特に居住空間とは日常であり、記憶に残らない無意識の時間が大多数を占めている。しかし、居住空間の普段の何気ない時間には本当に情報価値はないのだろうか。
会話、行動、生活で得られる体験の全てを映像でアーカイブし、無意識の時間を見返すことで、自分自身への新しい発見が有るのではないか。
②意識の境界無意識と意識の境界とは
人間はカメラを向けられて無意識でいられるのだろうか。この部屋に設置されたカメラの先の鑑賞者は自分である。その時自分自身を第三者として意識するのだろうか。居住空間という私的空間の中で、常にカメラを向けられた時の人間の意識の変化に目を向けることで意識と無意識の境界について考えたい。
また、「忘れる事」を放棄した時に居住者の意識にどのような変化が生まれるか。これからのデータ化する社会との向き合い方を考える。
記録方法
居住者が検知エリアに入ったことを深度カメラで判定し、自動的に音声録音と動画撮影をスタート。検知エリアから出ると自動的に記録が終了する。記録データは外部ストレージ内に保存し、居住者のみが見返すことができる。検知エリアは居住エリア内の一角とする。
撮影エリア
平面図
立面図
記録機能記録された動画は5項目に分類され、項目ごとに見返すことができる。
①DATE
指定した日付の動画を表示
②TIME SERIES
撮影日時の新しい順
③LENGTH OF TIME
撮影時間の長い順
④NUMBER OF PERSON
人数の多い順
⑤ACTIVITY AMOUNT
活動量の多い順
⑥TAGGING
撮影後に自身でタグ付けした動画を表示
参加方法
【参加条件】
【参加の流れ】
①申込書とアンケートの記入
入居審査申込書と簡単な事前アンケートを記入して頂きます。
②入居審査
申込書とアンケートを元に、貸主・保証会社・ライゾマティクスにて審査を行います。
③企画の説明と同意
審査通過者に対してライゾマティクスから全体の企画とシステムの説明の場を設けます。
(Skype等のインターネットによる電話会議を想定)
④契約書の提出
一般的な契約書と契約必要書類を提出頂きます。
⑤入居準備〜入居
ライフライン手続きを借主の方で行っていただき、貸主から鍵の引き渡しを行います。
⑥システム調整
入居後借主の家具のセッティング等に合わせてライゾマティクスによるシステムの調整を行います。
調整時間は約2時間を想定しています。
【インタビューについて】
入居後、ライゾマティクスによる定期的なインタビューを実施。
インタビュー内容は入居者の確認の上、本プロジェクトのアーカイブサイト内に掲載していく。
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